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ゴーイングプライベート(株式の非公開化)

はじめに
株式会社が上場を目指す方向性があるのと同時に、その逆である非公開化を目指す方向性もあります。すなわち既に上場している会社が全ての株式を買い取って証券市場から撤退することです。

一般的にはゴーイングプライベート(Going Private・非公開化)と呼ばれます。Privatizationともいわれます。この非公開化は意図的に行われる行為です。会社の経営陣が発行株式を取得して、上場廃止を申請します。

▼ 上場廃止のメリット(デメリットを交えて) ▼ 非公開化のための方法 ▼ 結びに変えて

上場廃止のメリット(デメリットを交えて)

事務作業の効率
  上場していれば、金融商品取引法に決められた時期に決算を発表したりすることが必要となります。また、有価証券報告書の提出など投資家を保護するための情報を開示しなければなりません。会社の財務状況はガラス張りにする必要があります。非公開会社となれば、これらの財務状況を定期に開示する必要はありません。事務コストは大幅に下げられます。
会社運営の円滑化
  非公開会社となれば、取締役の任期は最長で10年まで延長することが可能です。その他様々な会社法の規定により会社運営の幅が広がります。資金調達手続き・株主総会開催期間の短縮などが挙げられます。アクティビストを気にすることなく自由に会社経営の舵取りを行えます。
究極の敵対的防衛策
  上場していれば、資金があれば誰でも多数の株式を買い取って、会社を乗っ取ることが可能です。非公開となれば資金が潤沢でも自由に買取ることは不可能と言えます(非公開会社には譲渡制限が付されるのが一般的です)。乗っ取りを画策することは不可能に近くなります。まさに究極の買収防衛策と言えます。

■デメリット
<資金調達の制限>
上場会社であれば、広く市場から一般的に資金を調達することが可能です。日々、証券市場において自由に売買できるので、長期的な調達が可能です。また、直接金曜ではないので返済する必要の無い資金を調達ができます。しかし、非公開会社となれば一般投資家からの自由な資金調達は困難となります。市場からの間接的な資金を調達できないので調達方法の選択肢が限られます。

非公開化のための方法

非公開にするためには、市場に出回っている株式を回収することになります。発行済み株式が多ければ当然に回収資金も多額になります。全ての株式を回収することになるので時間もお金も必要となります。通常は種類株式を用いた方法を利用します。ただし、一筋縄で進まない場合もあります。取得価格の折り合わず裁判になるケースもあります。慎重に進める必要があると思われます。

結びに変えて 

いくつかの大手企業があえて非公開化を行っています。企業にとって設備投資資金、事業資金は成長戦略の不可欠な要素です。これらが制限されることになった場合、会社の存続に影響が生じる可能性も否定できません。あえて非公開会社となるメリット・デメリットを踏まえてその状況を判断することが大切です。一度、非公開会社となっても再度上場することは可能です。

当事務所は、非公開化に必要な手法(種類株式を用いたり、MBO等)を提案し、法的なアドバイザーとして全力でサポートします。

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