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医療法人の解散

はじめに
医療法人も他の営利法人と同様に解散する事が可能です。通常、法人が解散する場合には行政当局の許認可は必要ありません。会社法の規定に従って解散手続きを粛々と進めることになります。これに対して、医療法人の場合には解散を行う場合であっても行政機関の許認可が必要な場合があります。解散する場合でも、医療法に定められて要件に該当する必要があります。医療法人については設立・解散のいずれにおいても行政機関との関わりが必要です。


▼ 解散事由  ▼ 解散後の財産の取扱い ▼ 解散に関する手続きの流れ
▼ 医療法人の解散とM&A(合併) ▼ 解散認可申請における必要書類  ▼ 結びにかえて

解散事由系

解散事由は医療法に定められています(医療法55条)。法律が定めている以外の事由による解散は認められません。具体的な解散事由は、社団医療法人、財団医療法人により少し異なります。詳細は下記のようになります。

解散後の財産の取扱い

解散した医療法人に財産が残った場合(残余財産)には分配がなされます。いわゆる持分を有している方々(出資者)に分配されることになります。平成19年4月1日以降は、医療法の改正により持分を有する社団医療法人は設立出来ません。それ以前に設立していた社団医療法人(経過措置型医療法人)において生ずる問題です。特に設立時点においては、出資金がわずかでも、現在の価値において大幅に上昇していた場合には、多額の分配がなされる可能性があります。
持分のない医療法人においては、残余財産の帰属者を定款などにおいて定める事ができます。持分のない医療法人の場合には、帰属者は厚生労働省令において定められた者に限られます。持分の帰属する者が居ない場合には、国庫に帰属することになります。
清算手続きが完了した場合には都道府県知事にその旨を届出ることになります。

⇒持分のある社団医療法人の持分払戻しに関する具体的な問題はコチラ
⇒経過措置型医療法人の詳細はコチラ

 

解散に関する手続きの流れ

社団医療法人・財団医療法人の解散事由について都道府県知事の認可が必要な事由があります。医療法が定めた事由については、都道府県知事に対して認可の申請を行うことになります。大まかな流れは次のとおりです。

医療法人の解散とM&A(合併)

医療法人を解散する理由は、多々あります。赤字が出ている、後継者不足など個々の医療法人において事情は様々です。医療法人解散をする前に、救済方法としてM&A(合併等)の手法もあります。特に医療法人においては、代表者(理事長)は医師である事が必須条件となっています。すなわち、医師資格を有しない者が医療法人を設立する事はできません。

医療法人を解散するよりも、他の医療法人と合併等を行った方が良い場合もあります。理事長としての地位を有しつつ、実際の経営執行などについては、他の役員(専門家等)の助言を受けるなどの方法もあります。

解散手続きを行う事は、難しい事ではありません。むしろ、解散は最終手段として考える方が良いと思われます。昨今、医療法人(医療機関)M&Aは増加しています。解散を選択するよりも合併等(M&A)を行う事が結果として良い方向に向かう事もあります。

医療法人M&Aの詳細はコチラ

解散認可申請における必要書類

解散認可申請を行う場合に必要となる書類は次のとおりです。

結びにかえて

医療法人が解散するには、医療法に規定された手続きを行う必要があります。特に社員総会の決議により解散を決議する場合には、議事進行・法定の要件など慎重に行う必要があります。いずれかの手続きを欠いている場合は、無効となる場合があります。

特に医療の分野においては、行政当局の関与が強いと言えます。医療法人の解散に留まらず、医療法人における日々の運営等にも、医療法に精通した者のアドバイスを得て行う必要があるでしょう。

富山綜合法務事務所は、医療法に精通しています。多くの医療機関に対して法律的助言を行っています。解散の手続きのみならず、総合的な医療法務をご提供しています。医療法に関する事項はお気軽にお問合せ・ご相談ください。

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