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国際結婚

国際結婚とは

 「国際結婚」に法律上の具体的な定義はありません。一般的には、国籍が異なる者同士が婚姻する場合に国際結婚と言います。通常は、日本人と外国籍の方との婚姻について国際結婚と呼んでいます。ここ数年は、日本人と外国籍の方との婚姻数は多くなっています。日本人同士の婚姻と異なり、適用される法律及び成立に関する事項など少し異なるので注意が必要です。
また、夫婦のどちらかが外国籍の場合は、日本に在留するには、在留資格(ビザ)が必要です。国際結婚の場合は、この点についても考慮する必要があると言えます。また、国際結婚を視野に入れて、配偶者を日本に呼び寄せる場合は、入国(上陸)段階から注意が必要な場合があります。特にビザ免除国から配偶者(夫又は妻)呼寄せの場合には、注意する必要があります。具体的な注意点については下記を参照。

▼ 婚姻に関しての適用法(成立・方式) ▼ 婚姻の効力  ▼ 呼寄せに関する注意点
▼ 国籍の問題
  ▼ 住民票・外国人登録の問題 
▼ 結婚による氏の変更 ▼ 夫婦財産に関する問題 ▼ 最後に

婚姻に関しての適用法(成立・方式)

日本人同士の婚姻成立に関しては、民法731条から741条に規定されています。この民法の規定は、日本国内において日本人同士が結婚する場合に適用されます。

国際結婚(渉外案件)の場合は、日本の民法が直接そのまま適用されません。まず、国際結婚に適用される法律を決定し、それが日本法であれば、民法が適用される事になります。

国際関係(渉外性)のある事例に適用される法を定めてるのが「法の適用に関する通則法」です。婚姻に関しては24条が定めています。 成立は各当事者の本国法(1項)。婚姻の方式は挙行地の法律による(2項)。当事者の一方の本国法に適合すれば有効(3項)。但書もあり。

<具体的な適用事例>
【外国人カップルが日本で結婚する場合】
アメリカ人とフランス人が結婚する場合は、それぞれの本国法(アメリカの民法、フランス民法)の婚姻の要件を満たす必要があります。

【当事者の一方が日本人の場合】
日本で挙行された場合(婚姻した場合)で、当事者の一方(夫又は妻)が日本人である場合は、常に婚姻挙行地たる日本の法律(民法)によらなければなりません(法の適用に関する通則法24条3項但書・いわゆる日本人条項)

※成立については、それぞれの本国法に適合する必要がある。


婚姻が有効に成立する事と婚姻の方式は概念が異なります。日本人同士でも、「婚姻が成立する事=方式が有効」となりません。具体的には、婚姻が成立しても法律上の夫婦とはなりません。

役所に届出(婚姻届又は入籍)をすることにより法律上の夫婦となります。役所に届出を行う事が婚姻の方式となる事をイメージすると掴みやすいと思われます。

婚姻の効力

婚姻の効力とは、婚姻する事により夫婦間に生じる法的効力の事です。具体的には、夫婦間における氏や、同居義務及び扶助の義務などです。このような婚姻に伴う義務は、国際結婚であっても生じます。

婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であれば、その本国法により定まります。夫婦の本国法が異なる場合は、常居所地の法により定まります。いずれも無い場合は、夫婦の最も密接な関係のある地の法により定まります。

<具体的な考察>
【夫(アメリカ人)・妻(日本人)である場合】
婚姻の効力を検討するにあたり、夫婦間の同一となる本国法を探します。アメリカ民法・日本の民法となり同一の法はありません。仮にアメリカ法であればアメリカ法が適用。

次に、常居所地(現実的に生活する場所)を検討することになります。日本で共に生活する場合には、日本の民法が適用されることになります。アメリカ合衆国で共に生活する場合には、アメリカ民法が適用されることになります。 夫婦の同一の本国法がない、常居所地が同一でない場合は、最も密接な関係のある地の法を探すことになります。

呼寄せに関する注意点

外国から婚約者を呼寄せる場合に注意が必要な点があります。ビザ免除国から呼寄せる場合にも、ビザを申請して来日する事が望ましいといえます。短期滞在のビザを申請して、事前にビザを得て、来日して婚姻する事により日本人の配偶者等に関するビザへ変更することが望ましいです。

既に婚姻している場合は、事前に在留資格認定証明書を申請して、日本人等の配偶者ビザを得て来日するのが一般的です。

また、配偶者が過去に何らかの事情により退去強制(国外追放、強制送還)されている場合は事情が異なります。過去に日本から退去強制(国外追放、強制送還)された場合には。通常は日本に上陸する事が認められません。

上陸特別許可について申請する事になります。上陸特別許可が唯一の上陸する事ができる方法です。ただ、この上陸特別許可については、かなりハードルが高いと言えます。

※当事務所は、上陸特別許可に関するご相談を多数頂戴しております。安心してご相談ください。

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国籍の問題

日本が外国人と結婚しても当然に日本国籍は失いません。配偶者の国籍・日本の国籍を取得します。日本は二重国籍を認めていません。二重国籍となった場合に は、2年以内に何れかの国籍を選択しなければなりません(国籍法14条)。

住民票・外国人登録の問題

従来、外国人配偶者については、住民登録する事ができず、外国人登録により管理されていました。しかし、平成24年7月より法律が改正されて、外国人配偶者において住民登録する事が可能となりました。すなわち、住民票が作成されます。これに伴い従来の外国人登録法は廃止されます。

※入管法の改正に伴い、在留期間の延長及び再入国についても今までと異なります。
詳細については、お問合せください。

結婚による氏の変更

戸籍法107条2項によれば、外国人と結婚した場合に氏を変更しようとする時は6ヶ月以内に届け出ることができます。 (離婚の場合に元に戻す場合は3ヶ月。)

夫婦財産に関する問題

財産に関する規定についても定めています。 法の適用に関する通則法26条によれば、
@夫婦の同一の本国法、@が無い場合には、A夫婦の常居所地法、
@Aの何れもない場合は、密接な関係のある地の法です。

ただし、夫婦で取り決めた場合にはこの法による(法の適用に関する通則法26条 2項)。

☆一方が国籍を有する国の法
☆一方の常居所地法
☆不動産については、その不動産の所地法

最後に

一方が外国人であれば、その準拠法が適用されることになります。常に日本の法律が直接適用されるわけではないので注意が必要です。
当事務所は、国際案件&渉外案件にも積極的に取り組んで行きます。ご相談はお気軽に。

当事務所は、一度不許可となった案件・困難な事案について多数のお問合せ、ご相談を頂いています。拒否されたケースも問題点をしかり精査致します。安心してご相談ください。

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